• Data Privacy Day Japan

DPD コラム

1月28日は「データプライバシーデー」

データプライバシーデー・ジャパンでは、1月28日のデータプライバシーデーに先駆け、1月26日にデータプライバシーに関するイベントを開催しました。

 

「データプライバシーデー」に関する詳しい情報はこちら

 

 

データプライバシーデー「ジャパンプライバシープロテクションセミナー」の開催レポート

 

データプライバシーデー・ジャパン実行委員会では、『プライバシープロテクションセミナー』と題し、近年問題化しているプライバシー保護のあり方について、もう一度基本的な考えを共有するとともに、IoT社会の到来にむけたプライバシー保護のあるべき姿を、参加者と共に考える機会をもちました。(2017年1月26日、日本プライバシー認証機構セミナールームにて)

 

今回のセミナーでは、2名のスピーカーを専門家としてお招きし、講演を行いました。

高度で専門性の高い講演の中で、特にポイントとなったのは以下の3点です。

 

・第3世代IoT時代のプライバシー問題

・誤解されているプライバシーの常識

・現代社会のプライバシーのあるべき姿

 

「第3世代IoT時代のプライバシー問題」では、JPAC星野代表理事より、進化したIoTデバイス(端末や機器に限らず、衣類や壁や床、窓などにいたるまでのさまざまなもの)が、生活の中に多く取り入れられることによって、より多くのものからプライバシー情報が収集されることが予想される。そのときに自分自身の情報を、自分自身で管理できる(収集される情報を選択できる)のだろうか、ということに焦点を当て、IoT時代には、個人だけでなく、プライバシー情報を収集する企業側が率先して、人々が「知られたくない」と感じるプライバシー情報については、収集されることを拒否できる機会、権利を与えなければならない、という考えを発表されました。

 

一般社団法人日本プライバシー認証機構代表理事 星野克美

 

次の登壇者であるジャパン・プライバシー・センター祖父江純代表は、「プライバシーの父」アラン・ウェスティンの日本における後継者です。
祖父江氏によると、アラン・ウェスティンが確立した現代プライバシーの意味は、「自己情報コントロール権」=「個人が、他者に対して、どれだけの情報を、どのような手段で使わせるかを決める権利」です。OECDをはじめとして、G7、主なB to Cグローバル企業は、この原則を尊重しています。
しかしながら、明治時代にあった旧来の定義は、「プライバシー」=「隠す権利」=「一人にしておいてもらう権利」でした。その考え方が今でも日本で蔓延しており、プライバシーの常識が誤解されていることへ、祖父江氏は警鐘を鳴らしています。

 

またそれに加えて、「現代社会のプライバシーのあるべき姿」として、プライバシーを形作っている、

①インフォメーション・プライバシー(消費者・従業員・株主・取引先担当者ほかに関するもの)

②ライフスタイル・プライバシー(日常生活に関するもの)

③シティズン・プライバシー(憲法に規定されているもの)

の3つのプライバシーの形態の中から特に、①インフォメーション・プライバシーについて、事業者が尊重し、保護に貢献することが重要であるとしています。

 

ジャパン・プライバシー・センター代表取締役 祖父江 純 氏

 

本セミナーでは、プライバシーの「保護」の側面のみに焦点を当てるのではなく、プライバシーを自己でコントロール(管理)出来る環境下において、活用していくことが必要となってくること、また、その自己コントロール権を事業者が侵害しないようにすることが、「現代社会のプライバシーのあるべき姿」であることが示されました。これはIoTに限らず、旧来のサービスも含む全てのサービスに言えることでしょう。

 

データプライバシーデー・ジャパン委員会では、今後もプライバシーに関連する諸問題の提起や解決法を追求し、誰もが安心出来る情報社会の実現に寄与する活動を行ってまいります。本キャンペーンは、個人、企業を問わず、どなたでも参加できます。次回も多くの方のご参加をお待ちしております。